「アジトテープス」リリースに
寄せて③

ほんの前置きだったはずが、ずいぶんと長くなってしまいました。
曲を作って、録ってみるということは、僕にとって日ごろのごく日常的な嗜みのようなものでした。と、いう瑣末なお話でした。
だから、そもそも作品にして発表しようなんて大それたことは、あまり考えていませんでした。もし何か機会でもあったらそのときにでも…程度のものです。

それが「だそう」に変わったのは、友達に聴かせてみたら褒めてくれたからです。褒められることはとても嬉しいことです。それは年を重ねても不変でしょう。もう一度言っておこう。褒められるのは嬉しい。(特に深い意味はないですよ)

いざアルバムとして出すと決めると、ひとつの目標のようなものができて、襟を正すような気持ちになるものです。
収録する曲を選んで、本来ならこれまで録りためてきた音源はプリプロ扱いにして、アルバム用に改めて録り直すのがベストな手順なのかもしれません。でも、それはそれでなんだか面白みがないような気がしたのです。僕のことなので改めて録り直したところで、うまくいくとは限らないし…。
と言うことで、古い音源も基本的には使うことにしました。すごく古い物だと、昔バンドでやる用に作ったオリジナルデモ音源をベースに、追加録音を重ねて仕上げた曲もあります。独りフリー・アズ・ア・バード方式という感じです(それらはミックス作業というより、もっぱらノイズとか歪みの修復作業がメインという感じでした…)。そういう曲も入れてみることにしました。

ただ、それでも、なんだかまだ面白みが足りない。やはり新しい曲も入れたいものです。なのでアルバム用に新しい曲もいくつか作って新録もしました。
調子に乗り出すと、さらにもっと楽しみたいという欲求もでてきちゃいます。ここまできたら欲しますよ。いくつかの曲で友達に演奏に参加してもらいました。素晴らしいミュージシャン。

DTM※が普及し、居間で作った音楽もたくさんリリースされている時代です。プライベートな場所でインディペンデントな活動の中から生みだされた作品は幾多もあると思います。
でも、こうゆう「アジトテープス」みたいな毛色のものは珍しい方なんじゃないかなぁ?とも思ったりもします。聴いてくれた人にとっての何かしらの喜怒哀楽を、少なからずとも揺さぶることができるのでは?と思うのです(できれば怒は無しの方向でお願いしたいところですが…)。
物価高、争い、異常気象など重たい問題が次々と降り注がれる昨今ですが、もしもお財布のなかの、千円札の枚数にちょっとでも余裕がある時に「物は試しに聴いてやろうじゃないか」と選択肢に挙げていただけたら嬉しい限りです。

ほりーゆうき
ー 完 ー
※注釈

DTM:デスクトップミュージック(Desk Top Music)の略。パソコンやタブレットで音楽制作を行う事の総称。専用ソフトウェアをインストールしたパソコンとオーディオインターフェース等の必要機器を揃えれば、机上でも楽曲制作が可能となる。基本的に専用ソフトウェアには「DAW」が使用される。

2026/10